Program
TUTORIALS
T 5 |
14:00-18:00 |
タイトル: |
MANET概要 -経路制御からハードウェアまで |
講師: |
湧川 隆次 小久保 優 |
チュートリアル概要: |
本チュートリアルでは、MANETに関する研究の、現状把握を目指す。現在IETFのMANETワーキンググループで標準化が行われている、 経路制御プロトコル(AODV,OLSR,
TBRPF, DSR) を中心に、MANETのための経路制御プロトコルの解説を行う。 MANETの分野に興味がある研究者が、MobiHoc 2004に参加するための前知識を得るのに適している。 日本語で行われる。 前半部:ネットワーク本チュートリアルでは、アドホックネットワークの目的、特徴および技術的な問題点を説明する。 具体には、経路制御技術、アドレス等の自動設定、インターネット接続、そしてIPv6等のネットワーク層の問題に着目して解説を行う。 アドホックネットワークの経路制御プロトコルは、reactiveとproactiveの主に2種類に分類されるが、 想定される移動シナリオ、トラフィックシナリオ、ノード数に応じた様々な経路制御技術が提案されいる。 そこで、本チュートリアルでは、IETFで標準化が行われているAODV, DSR, OLSR, TBRPFを中心にプロトコルの解説を行う。 また、同時にフラッディング技術,経路発見の効率化のための位置情報等を用いた技術についての解説も行う。 自動設定に関して、IPアドレス取得や名前解決に関して解説する。 IPアドレスの重複問題や複数アドホックネットワークの合流時に置ける問題点を解説し、提案されている主だった解決案を紹介する。 インターネット接続技術としては、現在IETFで議論が行われている、OSPFの拡張を用いた技術とインターネットゲートウェイを用いた2種類の手法に付いて説明を行う。 最後に,IPv4とIPv6の違いを解説し、IPv6を用いたアドホックネットワークを考慮する上での問題点を紹介する。 後半部: ハードウェア本チュートリアルではモバイル通信を実現するための具体的なハードウェアに焦点をあてた技術解説を行う。 まず、無線技術として一般的な通信を実現するための無線トランシーバの構成について解説を行い、 それぞれの構成要素の持つ機能や要求される性能に対する理解を図る。 次に、現在、アドホック通信によく利用されている無線LAN (IEEE802.11系やBluetooth)を例として、 トランシーバ方式、変復調方式、アンテナ技術など、それぞれの利用目的にあったハードウェア構成の特長を説明するとともに、 微細なプロセスの集積回路を適用することによる無線部の小型化の流れを説明する。 最後に、近年、新しい無線応用として注目されている超小型無線ノードを用いたセンサネットの特長と具体的なバードウェア構成、 および、それを実現するための主要技術としてのセンサー、マイクロノード、電力管理などに関する技術を解説する。 |
期待される参加者: |
本チュートリアルは、MANETに関して、経路制御からハードウェアまで幅広く扱う。 研究員、技術者、学生に関わらず、MANETに興味ある方々、全てが対象である。 事前知識として、最低限のネットワークに対する知識を期待するが、扱う対象が幅広いためMANET分野に対して関心があればどなたでも参加が可能である。 現状のMANETに関する研究トピックス、標準化状況、ハードウェアの研究および製品動向、MANETを用いたアプリケーション等に関して、最新情報を提供する。 現在、MANETの研究を行われている人々にとっては容易に理解できる内容ではあるが、MANETに関するハードからネットワークまでの動向を理解できるという利点がある。 また、MANETの前知識が無い方でも、本チュートリアルに参加することで、Mobihocに参加する上での、事前知識を得ることが可能である。 |
講師略歴: |
湧川 隆次 小久保 優 現在、電子情報通信学会回路とシステム研究専門委員とIEEE Circuits andSystems Society のJapan チャプタ [CAS-04]のSecretaryとISSCC2005ワイアレスサブコミッティーの委員を勤めている。 |